#2 さよなら、メリークリスマス
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更新: 2019/12/29 17:08:09
私に、都合よくサンタクロースは訪れてこなかった。
一人寂しく過ごすクリスマスに期待して3年目。夢は夢でしかなかった。
さよなら、メリークリスマス。
スーパーで割引になったオードブルと安い発泡酒。それだけを狭いテーブルに並べ、何も考えず惰性でテレビを眺める。
イルミネーションの下、幸せそうに寄り添うカップルの姿にテレビを消した。発泡酒をぐっと呷る。この酒は、いつも酔えない。
冷たいオードブルをつまむ。どう考えても一人じゃ有り余る量が、又切なさを加速させていく。
寒々しい1LDKの部屋。きっと年が明けても誰かが訪ねてくることはないだろう。重苦しいほどの静寂に耐えられなくなってテレビを付けた。
気づけば夜もかなり深まっていて、もうすぐ日付も変わろうとしていた。テレビの中で、独身の男芸人がクリスマスを憎らしそうに話していた。
「クリスマスなんて独り身への嫌がらせだ」
なぜかわからないけれど、私は自分の部屋のカーテンを開けて外を見ていた。大して高い階でもないマンションの一室からの景色は、1万ドルの夜景なんてものとはかけ離れている。高層ビルの明かりも、イルミネーションさえ見えず、ただ街灯がアスファルトを照らすだけ。
気づけば頬が濡れていた。カーテンを握りしめたまま見た汚い東京の夜景はどうしようもなく虚無に思えたから、そのせいかもしれない。伝う涙は止まらず、床まで滑り落ちていく。
いつまでもこのまま、一人で安酒を呷って泣くような女でいたくない。
誰もいないはずの部屋で気配を感じ、何かを期待しながら振り返る。
殺風景な部屋にやっぱりサンタクロースは来ていなくて、食べかけのオードブルと空の発泡酒の缶がいくつか転がっているだけだった。
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@rey_taiki
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#4 酔いつぶれた君
2020/01/25 22:55:10 ばぶるす
#山田涼介 #中島裕翔 #Hey!Say!JUMP 少しお洒落なバーでふたりきり...
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