戦う母

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昨日は3.11…東日本大震災から5年が経ちましたね。

私はその時、学校の体育館で部活の準備をしてました。

練習を始める前に忘れ物を取りに行こうと、体育館のランニングスペースに行った瞬間。

突然大きく揺れました。

揺れが続く中、部員は大騒ぎ。

私は体育館から離れようとしたけど、部員がしがみついてきて身動きがなかなか取れなかった。

体育館が倒壊しなくて本当に良かったと思う（床や壁にヒビ割れてるから）

大きな揺れは収まったものの、余震は続く。

すぐさま部活を中断。

全員教室に戻り、担任の指示を聞く。

私が通っていた中学は、海に近かった。

津波が来るんじゃないかと心配だった。

波の高さは高かったみたいだけど、津波になることはなかった。

それでも、ニュースや放送では津波が来る可能性があるから、担任の先生方を至急職員室に集められる。

普段の防災訓練は何の為にやっていたんだか。

実際起こると対応が遅い。

今までにない、大きな地震が来たというのに、みんなはのんきに机を並べて卓球をしたり、おしゃべりしていたり。

不安な顔をしている人は、極々僅か。

私が大げさなのか、それとも他は危機感を持っていないのか。

すると、クラスメイトの男子1人が、

「地震なんて、今まで小さいのが来たりしてただろ」

今回もそうだろ。と言いました。

軽い考えでそう言ったのか、
自分に言い聞かせるためなのかは定かではありません。

でも、きっと周りは不安だったんだと思う。

家族はどうしているかな……

帰宅した友達は無事に帰れたのかな…

津波は本当に来ないのかな…

早く高台に行かなくていいのかな…

携帯やスマホを禁止されてたから、情報の得ようもなく。ただ、椅子に座っているだけ。

すると突然、
バン！と教室のドアが開く。

私の親が迎えに来てくれたんだ。

他の親も数人いた。

すぐに、家まで走って帰った。

翌日、私の親が校長先生に注意された。

「津波が来る可能性があるのに、なぜ海近くの学校に生徒を迎えに来たんですか」

と。

親はそれに対して、

「子供の命を、学校に任せきることはできません。子供を迎えに行って、一緒に流されるのなら、私たちはそれで構いません！」

校長先生は、

「勝手にしてください」と言ったきり。

学校側の責任にしたくないのと、
家族が助かればそれでいいという決心の元で判断して、私を迎えに来てくれた親。

クラスメイトの話によれば、迎えに来てくれた親は少なかったみたい。

その迎えに来なかった親は、
「あら、迎えに行ってもいいの？」とのこと。

事情はあるのだろうけれど、自分の子供を優先しない親が、本当にいたんだなと実感した日だった。

私の親がそうしてくれたみたいに、

私にも家族が出来たら

真っ先に迎えに行ける人になろう。

…と、思いました。