創作百合バレンタインSS
バレンタイン(過去形) 百合 SS最高ランク : 39 , 更新:
これ(http://uranai.nosv.org/u.php/novel/3f3e5900b49/)の番外編程度のものです。
今現在の時点と違うのは和睦済みくらいなところなのでゆるーーく見て戴ければと。
思い出したかの様に書いたので日付ギリギリアウトですね!!!間に合うかと思って戦ってたのですごい短いです!!!オマケです!!!!
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バレンタイン、という言葉がクラス中に飛び交う。それと同じくして、鼻腔を擽る甘いカカオの香り。今日は2月14日、俗にバレンタインデーというものだ。
クラスで所謂"陰キャラ"という部類に属しているので特にこれと言って大きな関係は無いイベント。と例年通りなら言っているのだが、今年はそうもいかない。
クラスの女子に囲まれつつも此方に気付くと一気に表情を明るくし私を気遣ってか控え目に手を振ってくれた彼女、由良の存在があるからだ。
友チョコという物の渡し合いが終わったらしい由良はぱたぱたと此方へ駆けて来る。異質の組み合わせというものはどうしても人の目が集まってしまう。私も同じくして立ち上がり、二人で教室の外へと出た。
「もう良いの?」
人通りの少ない廊下の隅でそう尋ねる。
太陽のような彼女は眩しいくらいに笑って、大丈夫だよと答えた。
なら良いんだけどと不器用に返すもさてどうしたものか。後ろ手に隠した袋はどう渡せば良いのだろう。彼女も沢山貰っていたので、これ以上渡すと迷惑かもしれない。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか彼女はまた笑って言った。
「私にくれるんでしょ?それ。私、沙代の欲しいなぁ」
今度は太陽と言うより月のような意地の悪さを感じさせたが、生憎と私はソレに弱い。苦笑いしつつ渡すと、子供の様に喜んだ。
「そんなに嬉しいの?」
「嬉しいよ、だって、沙代が私の為に作ってくれた物なんだから」
中身も見ずに手作りと当てる辺りも流石というか、むしろ超能力でも持っているのではないかと疑う程だ。
然し自然体で渡せてよかったという気持ちも強い。
これが彼女の魅力なのだと改めて感じた私は、最後にお返し待ってるねとだけ告げた。
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